MAPK抗体、タンパク質、阻害剤&アッセイ
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マイトジェン活性プロテインキナーゼ(MAPK)経路は、受容体チロシンキナーゼ(RTK)またはインテグリン刺激を通じて細胞外シグナルを核内ターゲットならびに細胞質内ターゲットへ送ります。MAPKシグナル伝達カスケードは、それに続くRTKの活性によって細胞外マイトジェン(成長因子など)のシグナルを伝達し増幅します。この活性化により、細胞周期を動かすための数多くの転写因子の活性を引き起こすキナーゼのシグナル伝達カスケードが作られます。
MAPKは、様々な刺激に反応してシグナルを送る、4種類のファミリーで構成されています。これらは、古典的細胞外シグナル関連キナーゼである(ERK1/2)の経路を含んでいます。c-Jun N末端キナーゼ/ストレス活性化タンパク質キナーゼ(JNK/SAPK)ならびにp38MAPK経路を含むストレス関連のシグナル伝達経路。最後に、4番目のMAPK経路はERK5(BMK1)です。
MAPKは、1パラグラフ目に記載のように、カスケード的にお互いがリン酸化/活性化する、3種類のキナーゼ(MEKK、MEKならびにMAPK)で構成されている特徴的かつ極めて特異的なリン酸基転移系において活性されます。異なる刺激は、異なるMEKKを活性化し、選択的にダウンストリームの標的(MEK)を活性化しています。そして、最終的にはMAPKをリン酸化・活性化します。
MAPKは、研究において最も解析が進んでいるシグナル伝達ですが、それでも多くのことは未だ分かっておらず、がんならびに神経学に及ぼす影響に関する継続的な研究はこれからも増えていくでしょう。メルクミリポアは、この研究の第一線に立ち、学術およびバイオ/医薬の環境において活発な研究用のソリューションを提供しています。
MAPKの経路
ERK経路は、様々な成長因子(EGF、FGF、PDGF、VEGFなど)ならびにインテグリン刺激によって活性化されます。JNKおよびp38経路は、ストレス関連のMAPKとも言われ、浸透圧ストレスや遠赤外線照射、IL-1およびTNFなどの炎症促進性のストレス誘因シグナルによって制御されています。各経路の選択的な刺激もありますが、お互いにかなり多くのクロストークもあることにも留意しなければなりません。例えば、ERKのp38に依存した活性化が認められました。
すべてのMAPK(ERK、JNK、p38MAPKならびにERK5)は、Thr-X-Tyr 二重リン酸化モチーフにおいて、スレオニン残基およびチロシン残基におけるリン酸化によって活性化されます。Xは、それぞれGlu、Pro、ERK用Gly、JNKならびにp38となります。一度リン酸化・活性化されると、細胞質と核の両方においてダウンストリームの標的をリン酸化し始めます。MAPKの主な標的のひとつは、このリン酸化により活性化される転写因子です。悪性がんの多くは、MAPKシグナル伝達カスケードのディレギュレーションによって特徴付けられます。がん細胞は、通常、細胞周期停止またはアポトーシス(プログラム細胞死)を引き起こす細胞シグナル伝達に反応しません。実際、恒常的なMAPKシグナル伝達は、最も致死率の高い数種類のがんの進行の一因となっています。がんの中には、MAPKの発現を上昇させることで、がん細胞の遊走および浸潤をもたらすものがあります。MAPK発現の阻害剤は遊走ならびに浸潤を低減します。腫瘍の多くは、この経路の増加と継続的な活性を示します。それが、MAPKシグナル伝達経路が抗がん剤標的の中でも特に需要が多い理由のひとつです。MAPKが調節する細胞活性には、細胞分裂、増殖、生存、分化、アポトーシス、運動ならびに代謝などがあります。
しかしながら、MAPKの最も重要な機能のひとつは、おそらく神経機能における役割でしょう。神経は最終分化しますが、通常、細胞周期を介在していると考えられている多くのErk標的は、これらの細胞に存在しています。MAPKは、タウのリン酸化ならびに抗体のプロセシングを制御しますが、これはどちらもアルツハイマー病の病理に重大な意味を持っています。Erk活性は、ある種の長期増強(LTP)にはもちろん、特定の記憶の獲得ならびに保持においても必要です。このような機能が内在する細胞プロセスもErk活性に依存しています。例えば、MEK阻害剤は、AMPA受容体(AMPAR)の数の増加と活性(学習の根底にあると考えられている変化)を阻止します。シナプス可塑性にとって重要なことが昔から知られているAMPARのCamKII依存のシナプシスへの挿入もErkが必要です。MEK阻害剤は、Erk活性ならびに新しい脊椎の形成を阻害します。
MAPKシグナリング研究用に、数百種類の高品質な抗体や酵素、活性アッセイならびに低分子阻害剤を提供しています。メルクミリポアの全製品はUpstate、ChemiconならびにCalbiochemの専門性を基盤としています。全製品の一覧は、本ページの「ご注文情報」タブをご覧ください。