食品・飲料における完全性試験
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Biopharmaceutical Manufacturing > Downstream Processing > Sterile Filtration > Integrity Testing |
非破壊試験
フィルターの使用前後で非破壊試験を行います。ろ過滅菌フィルターについて使用前に完全性試験を行うのは使用前に完全性をモニターして、完全性不合格のフィルターが使われるのを防ぐためです。使用後に完全性試験を行うのは使用中にフィルターの完全性が損なわれていないかどうかを確認するためです。
ろ過直後にフィルターの完全性不合格が判明した場合、遅れることなく直ちに対応アクションがとれます。
非破壊試験には3種類あります。:バブルポイント試験、拡散流量試験および疎水性フィルター用の水による完全性試験(ハイドロコアテスト)です。プレッシャーホールド試験は拡散流量試験の変法です。食品・飲料の用途では、最終のメンブレンフィルターの段階での完全性試験を推奨します。
バブルポイント試験
最も多く用いられている非破壊完全性試験は、バブルポイント試験です。バブルポイントはフィルターの細孔中に液体が表面張力と毛細管現象によって保持されている現象をベースにしています。細孔から液体を押し出す最低圧力で孔径の直径を測定します(式を参照して下さい。)。
P = (4k cosΘ Σ )/d
P = バブルポイント圧
d = 孔径
k = 補正係数
cos Θ = 液体-固体接触角
σ = 表面張力
バブルポイントの手順:
1. 適切な液体でフィルターを湿潤させます。一般的には親水性フィルターは水で、疎水性フィルターはアルコール溶液で湿潤させます。
2. フィルターメーカーで規定するバブルポイント規格値の約80%まで昇圧します。
3. 出口から速くて連続した気泡が確認されるまでゆっくりと昇圧します。
4. バブルポイント値が規格値より低い場合、下記のことが考えられます:
- 表面張力が規格値と異なる液体を用いた
- フィルターの孔径が異なる
- 液温が高い
- フィルターの湿潤が不完全
- フィルターが不完全またはシールが不完全
拡散流量試験
バブルポイント以下の圧力で、水で満たされたフィルターの孔径中に気体がFickの法則に基づいて拡散して行きます。拡散流量は、保持圧とろ過面積に比例します。バブルポイント規格値の約80%の保持圧で拡散流量を測定し、フィルターの完全性を試験します。ろ過面積が小さなフィルターでは拡散流量は極めて少ないですが、大きなろ過面積のフィルターではかなり多量になります。フィルター毎に規格値としての最大拡散流量値が決められています。
拡散流量試験の手順
1. 適切な液体でフィルター全体を湿潤します。一般的には親水性フィルターは水、疎水性フィルターはアルコール溶液を用います。
2. フィルターメーカーで規定する測定圧までゆっくり昇圧します。一般的にはバブルポイント規格値の約80%です。
3. 安定するまで待ちます。
4. 目盛り付きシリンダーあるいは流量計で出口側の拡散流量を1分間測定します。
5. 拡散流量が規格値より高い場合は、下記のことが考えられます:
- フィルターの孔径が異なる
- 温度が室温より高い
- メンブレンの湿潤が不完全
- フィルターが不完全またはシールが不完全
- 液体/気体の組み合わせが規格値と異なる
- 安定時間が不十分
プレッシャーホールド試験
プレッシャーホールド試験は、プレッシャードロップを測定する試験です。この試験は、拡散流量試験の変法です。この試験ではフィルターを通過する拡散によって起きる一次側の圧力変化をモニターするので、精度の高いゲージが必要です。フィルターの2次側で測定する必要がないので、2次側が汚染される危険性がなくなります。
プレッシャーホールド値(圧力降下値)は一次側容量と拡散流量で決まります。次の式で計算します:
ΔP = D(T)(Pa)/Vh
D = 拡散流量 mL/min
T = 測定時間 (min)
Pa = 大気圧 (1 Atm)
Vh = 装置の一次側容量 (mL)
ΔP = 降下圧力 (bar)
プレッシャーホールド試験は、通常、自動完全性試験機で行います。