Millipore Sigma Vibrant Logo
 

東京大学 工学系研究科総合研究機構
西山 尚登 様

導入機器
小型超純水製造装置 Direct-Q® UV 5
お客様
東京大学
工学系研究科総合研究機構
次世代ジルコニア創出社会連携講座
西山 尚登 様

ジルコニアの触媒機能に着目して研究

/INTERSHOP/static/WFS/Merck-Site/JP/Merck-JP/ja_JP/01_JP_Image/JP_FreeStyle/JP_LW/JP_LW-Custom-Milli-Q-Mag-Digital/JP_LW-Custom-Milli-Q-Mag-Digital-Customers-Interview/customers_interview_01_02.jpg

私は光触媒の合成と開発に携わっており、ジルコニアという金属酸化物の光触媒作用を引き出すことを現在の研究テーマとしています。

ジルコニアは機能・構造セラミックス材料で、たとえば摸造ダイアという用途がありますが、アクセサリーだけでなく、最近では丈夫で色が白く審美的であることから歯科素材の1つとしても注目されています。さまざまな分野で実用化されているものの、機能発現メカニズムはまだ明らかになっていないことが多くあります。材料特性を決める因子を解明して、原子レベルから組織を制御すれば飛躍的に機能が向上する可能性があるということで、2020年7月に次世代ジルコニア創出社会連携講座が設置されました。私は2020年から前職場でジルコニアの研究に携わっていたことからお声掛けいただき、2021年1月から本講座でお世話になっています。

研究内容についてはあまり詳しく言えないところがありますが、従来のジルコニアの機能性をさらに引き出そうというのが狙いです。本講座でメインとしているのはジルコニアの持つ強くてしなやかな力学特性ですが、私は光触媒機能に着目して研究しています。ジルコニアの有する力学特性を活かしつつ、新たな光触媒機能も引き出すことが可能となれば、太陽光や室内灯等の身近な光源を利用するだけで、屋内外の有機物分解による環境浄化を行うことができます。さらに、水からの水素生成や医薬品等への合成の可能性も秘めているため、エネルギー問題の解決に寄与できるのではないかと考えています。

私が行っている研究において、溶媒あるいは器具洗浄水などに余計なイオンが含まれていると、物質の合成にも機能性評価にも影響してくるため、超純水(Milli-Q®)は非常に重要となります。

大学時代にMilli-Q®と出会う

大学時代は酸化チタンの光触媒を合成しており、溶媒として水は大事であることを教員や先輩に教えられ、非常にきれいな水であるMilli-Q®に初めて出会いました。以来、Milli-Q®を使っています。学生時代と研究者になった現在でMilli-Q® の印象に大きな違いはありませんが、超純水製造装置についての情報を多く入手できる立場となって、いろいろな装置があることを知りました。

大学時代、私が所属していた研究室から少し離れたところにある機器分析センターには、大量のMilli-Q®が採れる超純水製造装置がありました。1回の合成にMilli-Q®を10Lくらい使用していましたが、研究室には小さなタンクしかありませんでした。Milli-Q®を取りに先輩や後輩とタンクを持って、4階の研究室から1階まで降りて外を歩いて機器分析センターまでという道のりを毎日5往復くらいしていたときもありました。非常にきつかったですが、筋トレのような感じでこなしていました。最近は幸いタンク付きの優れた超純水製造装置を購入しているので、水を運ぶ作業をする必要はなくなりました。ただ、私が当時所属していた大学では、いまだにMilli-Q®を運んでいるのではないかと思います。

Milli-Q® は必要不可欠な存在

現在の研究においても、Milli-Q® は必要不可欠な存在です。Milli-Q®がなければ合成もできませんし、器具の洗浄もできません。合成では1日10L程使うので、1日最大20~30Lくらい使用することもあります。

前職場では、水道水直結型超純水製造装置Direct-Q® UV 3を購入しました。水道水に直結していて、とても便利でした。ただMilli-Q® 使用量が非常に多く、5.5Lのタンクではすぐに空になってしまうため、現在の研究室で購入する際は30Lのタンクが付いているのに、価格的にもお手頃なDirect-Q® UV 5にしました。

Milli-SAT技術認定員の方に設置していただき、今のところ何の問題も起こっていませんし、安心して使えています。Direct-Q® UV 5は購入したばかりで消耗品の交換はまだしていませんが、Direct-Q® UV 3のときは自分で交換していました。説明書に親切に交換方法が記載してありますから、昔の蒸留装置などよりもMilli-Q®の消耗品交換は容易だったように思います。

Milli-Q Magazineの役立つ知識や面白コラムに注目

2020年に以前の職場でDirect-Q® UV 3を導入した際に登録してから、Milli-Q Magazineの冊子を送付してもらうようになりました。Milli-Q Magazine には具体的な役立つ知識が記載されているので気に入っています。なかでも洗浄回数に関する記事は良かったですね。「1回洗浄しても空気中の微粒子が残るため、Milli-Q®で3、4回共洗いする」と、具体的な回数が書いてありました。実験に直結する内容で、今まで曖昧だったところが、しっかり記事としてまとめられていて大変参考になりました。またタンクから溶出してくるイオンなども影響することから、タンクの成分も重要であるということもMilli-Q Magazineで知りました。

あと面白いコラムも楽しみの1つです。超純水はコーヒーの抽出効率が良いと、これまでまことしやかに言われていましたが、超純水と飲用の硬水でお茶とコーヒーを同じ条件で抽出して、実際にどの程度抽出効率が異なるかを調べる実験を行って、玉露、煎茶、深煎りコーヒー、カフェインレスコーヒーの全てにおいて、予想通り硬水よりも超純水の方が総抽出量が多かったという記事がありました。本当に実験したんだと思って面白く読ませていただいたのを覚えています。それを読んで実際に味を比べてみたいなと思いましたね。

デジタル化によってより便利に

Milli-Q Magazine は2020 年に紙媒体が終了し、デジタル媒体に移行となりましたが、デジタルのほうが検索もしやすいですし、便利なことはよくあるのでよかったなと思います。それに紙媒体はかさばって、保存場所も必要になりますから、前述のような興味があった記事も前職場に置いてきてしまいました。でも、データであれば保存して移動するのも便利で、ありがたいですね。

Milli-Q Magazineだけでなく、最近は身の回りのさまざまなものがデジタル化されてきています。分光装置や組織分析装置などの取り扱い説明書は、昔は紙で分厚かったですが、今はCDやUSBなどになっています。メルクの超純水製造装置も取り扱い説明書はUSBになっているので、パソコンで対処法などを速やかに検索できてとても便利です。

年配の方々の中には紙媒体がいいと言われる方もいらっしゃいますが、理化学系の研究に携わる方々は比較的デジタル化に柔軟に対応されているような気がします。私の所属する講座でもみなさんデジタル化への障壁はまったくありませんし、保存や検索などメリットの方を感じてられると思います。

今後のMilli-Q Magazine デジタルに期待

これからのMilli-Q Magazine デジタルには、日常のMilli-Q®の使い方として、Milli-Q®採水後 1時間、2時間経過するとCO2などがどの程度溶解するかといったことを新たに実験していただき、最新データを掲載してもらえたらと思います。また面白いコラムにも期待しています、Milli-Q®を飲むとお腹を壊すと昔から言われています。それが本当なのか最近気になっているところなので、そういった生体的な話などをぜひコラムにしていただけると、また楽しめるかなと思っています。

Milli-Q®には日々研究を支えていただいており、大変感謝しています。メルクの超純水製造装置には非常に満足しています。消耗品については、Direct-Q® UV 3にはセットされている『消耗品スマートバスケット』があってとても便利でした。Direct-Q® UV 5の消耗品セットもぜひ出してほしいと思っています。

それと水銀フリーのUVランプをDirect-Q® UVにもぜひ付けてほしいですね。近年、水銀の規制が厳しくなっており、大学でも廃棄には申請が必要になっています。今後ますます水銀フリーは注目されていくでしょうから、水銀フリーのUVランプを全機種に搭載していただけるとありがたいです。


製品に関するご質問は…

お問合せ先


メルク ライフサイエンス ラボウォーター事業部

 

※掲載価格は希望販売価格(税別)です。実際の価格は弊社製品取扱販売店へご確認ください。なお、品目、製品情報、価格等は予告なく変更される場合がございます。予めご了承ください。