導入機器 超純水・純水製造装置 Milli-Q® IQ 7003、Milli-Q® Integral |
お客様 鹿島建物総合管理株式会社 大塚 光 様 / 保田 幸大 様 |
弊社は設備管理の会社であり、基本的には私たち2人も設備管理の仕事をしています。アステラス製薬株式会社つくば研究センター様の設備管理および研究機器の点検・管理を遂行しており、つくば研究センターの設備管理のみならず、センター内にあるMilli-Q®の他にもフリーザー等の研究機器を幅広く管理しています。
Milli-Q®の管理の1つとして、Milli-Q®の代理店様との点検スケジュールの作成があります。研究センター内のMilli-Q®の台数が多いため、5月、8月、11月、2月の年4回に分け、点検と消耗品交換をスケジュール立てて実施しています。
また、Milli-Q®の突発的な不具合が生じた場合も、私たちが初期対応をしています。アステラス製薬様の研究員の方から窓口の方を通して連絡があれば、私たちが現場に赴いて症状を確認し、それを代理店様にお伝えします。そして、アステラス製薬様と代理店様の間に入って、日程調整、研究センターの入館手続き、当日の現場確認などを行っています。Milli-Q®を担当するようになって1年半以上経過していますので、よくあるお問い合わせについては、このあたりが問題ではないかという目星を付けた初期対応ができるようになってきています。
お客様から装置を預かっている以上、遅滞ない点検の遂行、安定した機器の運用、不具合時の早急な復旧・対応などが求められていると私たちは認識しています。そういう認識のもと、お客様に寄り添って迅速な行動、丁寧な案内などの対応、および計画的な点検の実施を心掛けて業務を実施しています。また装置はどんどん新しくなって進化していますので、代理店様が装置を整備されているところを見させていただくなどして、装置の詳細を把握するようにしています。そうすることによって、不具合が発生した際にどういうところが悪いのかを的確にお伝えして、速やかに修理につながるように努めています。Milli-Q®は特に研究活動の上で必要不可欠なものと理解していますので、点検や故障によって使用できない期間を可能な限り短縮するようにしています。
また、Milli-Q®は水を扱っている装置であるため、漏水のリスクがあります。漏水や不具合は他の高額な装置に水がかかったり、Milli-Q®設置階より下の階に水が及んでしまうなど、Milli-Q®装置以外にも影響を与えることがあります。そのため、より迅速な対応や予防的な保全が必要であると実感しています。
漏水を起こさないために、アステラス製薬つくば研究センターでは定期点検に加えて、Milli-Q®の漏水対策の1つとして各研究室のMilli-Q®には漏水検知器を設置しています。それにより漏水発生を検知した際には、Milli-Q®装置自体が止まるような仕組みになっています。また各Milli-Q®装置にドレインパンを設置し、水が漏れたとしても床など他へ水が広がらないようになっています。
さらにMilli-Q®への供給水口は蛇口に直接付けると、ポンと外れて漏水事故が起きる可能性があるため、すべてバルブ止めにしています。これらにより、アステラス製薬様に安心してご使用いただくことができています。
最近の装置はすでに対策がなされているので問題ありませんが、Milli-Q® Integralよりも以前の装置では、タンクのオーバーフローのチューブは柔らかく、万が一折れ曲がってしまうと正しく排水されず、漏水につながる可能性がありましたので、チューブが曲がらないように金具で対策を施しています。
対策をしていても万一漏水が発生した場合には、装置内のチューブなどの部品の交換で対応します。しかし、使用期間が長い装置についてはやはり限界もあって、部品を交換しても同じ場所で不具合が生じやすくなります。その場合は装置の更新が必要になります。ただ、私たちが管理している装置はお客様のものですから、更新計画はお客様主動となります。そのためアステラス製薬様の窓口の方に、メルクからサポート終了装置の情報を入手して報告したり、同じ場所で不具合が起こる装置の情報を提供したりして、更新計画が立てやすいように協力しています。
私たち2人は学生時代に機械工学や電気工学を学んできました。どちらもアステラス製薬様を担当するまでは超純水製造装置に縁はなく、担当してから研究用の水を出す装置があると知りました。ただ、本研究センターでアステラス製薬様の研究員の方々が、日々Milli-Q®から採取した超純水を使っていらっしゃるのをよくお見かけするので、製薬会社様においてMilli-Q®はなくてはならない身近な装置ではないかという印象があります。
採水量が確認できる装置については、代理店様に採水量マップという形で年間どれくらいMilli-Q®から採水しているかというデータを出していただいています。そのデータをアステラス製薬様にお届けして、Milli-Q®の適正配置に役立てていただいています。その採水量のデータを見ると、Milli-Q®の台数が多いということもありますが、年間相当量を使われている場所が多々あります。そういったところからも、Milli-Q®はなくてはならない装置なのではないかと考えています。
アステラス製薬つくば研究センターには、他の施設と比べてもかなりの台数Milli-Q®が設置されています。他の施設では適切な時期に消耗品交換をせずにそのまま使われている事例もあると伺ったことがあります。私たちは多数のMilli-Q®の消耗品交換をもれがないようにスケジュールを作成して、すべて適切な時期に行っています。消耗品交換は結構煩雑でもありますが、計画的に実施できているということは、誇ってよいのではないかと自負しています。
私たちが装置を一括管理することで、さまざまな経験が蓄積できています。その経験から不具合があった場合の初期対応もスムーズにできるようになっています。これは、一括管理の有益な点ではないかと思います。症状が特定できれば修理する際も速やかに対応ができます。たとえば漏水であれば本体のカバーを外してどこから漏れているのか特定するようにします。将来的に漏水や不具合が発生した場合に、漏水の場所や不具合の詳細が装置に表示されるようになると、管理側としては不具合の詳細がわかるのでありがたいと思います。
年に1回アステラス製薬様、代理店様、メルク、鹿島建物の4社で報告会を行っています。毎年点検が2月に終わるので、報告会は3月に実施し、全てのMilli-Q®の情報をフィードバックしています。そこでは現状を報告するだけでなく、新たに必要となった対策を提案したり、あるいはいろいろな要望をMilli-Q®メーカーであるメルクに伝えたりできるため、貴重な機会だと思っています。
鹿島建物としては設備管理がメインですが、アステラス製薬様の研究施設がモデルケースとなって、研究施設における機器管理も設備管理のオプションとして可能であることが示せたのではないかと思います。これは他の設備管理会社様との差別化の1つにとして強みになっていくのではないかと私たちも期待しています。
※掲載価格は希望販売価格(税別)です。実際の価格は弊社製品取扱販売店へご確認ください。なお、品目、製品情報、価格等は予告なく変更される場合がございます。予めご了承ください。