田原 謙一 氏

タカラバイオ株式会社 CDMセンター第1部長

タカラバイオの細胞治療技術とその進展

発表要旨

キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、従来の製造方法では10日程度かかり、その間にT細胞の分化と疲弊が生じ、効力が低下します。この課題を解決するために、私たちは短期間製造法(Spo-TTM法)を開発し、高い抗腫瘍効果を確認しました。また、従来の手作業による製造はコストや無菌性に課題がありましたが、閉鎖系自動培養システムを導入することで改善を図りました。本講演では、Spo-TTM法を用いたCAR-T細胞の自動製造法と品質の高い細胞の製造手法に関する取り組みを紹介いたします。

プロフィール

2009年、タカラバイオ株式会社に入社。以降は、遺伝子改変T細胞(TCR-T/CAR-T等)の製造を中心に再生医療・細胞治療用の製造技術開発、CDMO事業について15年間この分野に従事する。2023年よりISPE日本本部ATMP COPにて細胞治療プロセスの工程、機器、設備に関する研究活動を推進している。
2006年 名古屋大学大学院生命農学研究科 修士課程修了
2009年 名古屋大学大学院生命農学研究科 博士号取得