渋沢謙太郎 氏

メルク株式会社 ライフサイエンスサービス事業部 Virus Vector Manufacturing, Business Development

遺伝子治療の市場トレンドと医薬品受託開発製造(CDMO)への期待
~メルクグループのケイパビリティ及びソリューションのご紹介~

発表要旨

近年、医薬品開発はモダリティの多様化を辿っており、遺伝子治療分野等の新規モダリティについてもパイプライン開発が活性化してきました。この分野において伝統的な製薬企業のみならず、アカデミアやそこからスピンアウトしたベンチャー企業、さらには官民双方のファンド等、多様なプレーヤーが参入しパイプラインの商用化及び産業化を迅速化させています。

遺伝子治療薬等の新規モダリティ分野においては各プレーヤーが保有するシーズをいかに迅速に商用化できるかが、事業を産業化させるためのカギとなっています。一方で、研究室初のシーズを商用化するためのスケールアップや規制に関するノウハウについて各プレーヤーが“手探り”であり、このようなノウハウを集約しているCDMOに対する市場からの期待は大きいと考えられます。

メルクグループはCDMOとしても、これまで25年以上にわたり医薬品向けウイルスのGMP製造を行ってきました。ここには伝統的なワクチン向けウイルス等をはじめ近年興隆しているアデノ随伴ウイルスベクター、アデノウイルスベクター、レンチウイルスベクター等の遺伝子治療向けウイルスベクターのプロセス開発や製造も含まれています。さらにメルクグループでは抗体医薬や抗体薬物複合体、核酸医薬等のCDMO事業や開発製造に伴う各種品質試験サービス等、幅広い製品・サービスポートフォリオを有し、各事業間での相乗作用を図ってきました。

本講演では、遺伝子治療分野における市場トレンドと、それに対するメルクグループのCDMO事業によるソリューションをご紹介いたします。

プロフィール

2021年メルク株式会社入社。新規モダリティ、特に遺伝子治療分野におけるCDMO事業のアジア・太平洋地域における事業開発に従事。これまでバイオ医薬品等(遺伝子治療薬、抗体医薬、再生医療等製品等)のサポーティングインダストリーにおける事業・市場開発、製品マネジメント、調査研究・コンサルティング及び基盤技術開発等に10年以上にわたり従事。また企業・業界横断的にバイオインダストリー協会、PDA製薬学会、AMED及びFIRM等のプロジェクトを通じて新規モダリティの産業化支援に参画。2009年 順天堂大学大学院医学研究科博士課程修了 博士(医学)。