Milli-SAT インタビュー
和研薬株式会社品川 知範 氏
Milli-SAT歴:約3年
拠点:滋賀県
好きな食べ物:寿司
趣味:ゴルフ
好きな装置とその理由:Milli-Q® Integral:最も触っている装置なので不具合があったときにも対処しやすいから
Milli-SAT認定技術員3名で関西圏の装置を担当
和研薬株式会社は京都市に本社を置き、関西に5カ所の営業所を構えて、関西一円の企業様や大学関係にさまざまな研究分野の試薬・理化学機器を販売しています。私は前職で取得した資格を活かした仕事をしようと転職し、当初は和研薬のグループ会社であるワケンビーテックに配属されました。
入社後にメンテナンス部門に配属され、それまでの仕事とは全く異なりましたが、営業職よりは馴染みやすいという感じでした。そして、Milli-SAT認定技術員の増員が必要となり、私が資格を取得することになりました。認定試験までは先輩Milli-SAT認定技術員について一緒に作業をしました。
ワケンビーテックではCO2インキュベーターや安全キャビネットなどのメンテナンスも行っていましたが、和研薬に異動となってからはほぼメルクの装置だけを担当しています。現在、弊社にはMilli-SAT認定技術員は先輩が1名と後輩が1名おり、私を含めた3名で日々作業を行っています。私は滋賀営業所に勤務していますが、関西圏の広い範囲で仕事をしており、京都や滋賀だけでなく、滋賀から神戸や大阪に出向くこともしばしばあります。
お客様に信頼感や安心感を持っていただけるように接する
お客様にとってMilli-SAT 認定技術員は、装置のメンテナンスをしてくれるサービス員というイメージだと思うのですが、弊社では販売した装置を弊社社員がメンテナンスまで行いますので、ある意味、営業の延長線上にあるのではないかと考えています。私にとってMilli-SAT 認定技術員は和研薬での私の仕事であり、超純水・純水製造装置のメンテナンスや修理などは責任感を持ってやらなければいけないと常に心しています。
私の先輩であるMilli-SAT 認定技術員は資格取得後10年以上経過したベテランです。一度手を付けた修理作業は絶対自分で解決するという印象があり、仕事に関する責任感が強いところを尊敬しています。また社内での見積依頼や訪問日程の調整などのレスポンスが非常に早く、そういった点も見習わなければいけないと思っています。
Milli-SAT認定技術員として現場で気を付けている点は、密にコミュニケーションを取ることです。お客様に信頼感や安心感を持っていただけるように心がけています。
訪問する機会は基本的に年に1、2回しかないのですが、現場に到着したらまずお客様に「装置について最近不具合はありませんか」「使い方でわからない点はありませんか」と伺うことにしています。最初にお伝えしておけば、作業が終了するまでに思い出して言ってもらえることもありますので、必ず実践しています。
装置トラブルの際にはメルクのカスタマーサービスとも連携
これまでに最も大変だったのは、最新機種のMilli-Q® IQ 7000シリーズで、設置時には排水量に問題がなかったにもかかわらず、1年後に排水量が仕様値に入らなかったときの作業です。装置の使用頻度が少なく、通常とは少し異なる状況でしたので、まずは水を作っては捨てるということを繰り返し、毎日排水していただいて数週間後に再訪問しました。
ところが、2度目に訪問した際にも変化がなかったため、そこから原因を究明するために何度も訪問しました。最終的に排水量を調整する部品を交換することによって正常になりました。
このような問題があった際には先輩のMilli-SAT認定技術員にも相談しますが、メルクのカスタマーサービスと連携し、現象を具体的に伝えて過去に同じような事象がなかったかどうかを電話で問い合わせています。このようなやり取りをすることによって、メルクにも記録が残り、他の現場の参考にもなるのではないかと考えています。
もちろんよく遭遇するようなトラブルについてはあまり聞くことはありませんが、これまでの自分の経験から原因がどの部品かを推測した後に確認させていただくという意味で電話をすることもあります。メルクのカスタマーサービスはレスポンスがよく、過去のデータが揃っているので速やかに返事がいただけます。私が遭遇していないような不具合の原因などもあり、新しい情報をもらえることもあるので、非常に助かっています。
メルクには日本法人がありますが、私が過去に取り扱った製品の中には、海外メーカーと直で連絡を取り合うこともあったため、質問を投げかけてから回答までのレスポンスが非常に遅く大変な思いをしました。その点メルクは電話をすれば速やかに回答してくれるので、われわれもスピード感を持って作業ができます。
装置を長期間使用していただくためにも消耗品は定期的に交換していただきたい
私自身学生時代に超純水・純水装置に触れたことがなく、今の仕事で初めて超純水・純水装置を知りました。そんな中でお客様と話をしているとMilli-Q®にはブランド力があると実感します。「超純水=Milli-Q®」と思われている方が非常に多いです。ですから、お陰様で超純水・純水製造装置の更新はMilli-Q®からMilli-Q®へという感じにしていただいています。
技術員としてお客様にお願いしたい点は、装置に不具合がなくても、定期的に消耗品を交換していただきたいということでしょうか。交換期限を過ぎると消耗品を交換してくださいというメッセージが装置に出るようになっていますが、水質に異常はないということで交換されないお客様もいらっしゃいます。
しかし、装置にトラブルが生じた場合に、消耗品を長期間交換していなければ、まずは例えばフィルターなどの消耗品を交換してみましょうとなりますので、原因の特定に少々時間がかかることがあります。装置を問題なく長期間使用していただくためにも、消耗品は定期的に交換していただきたいと思います。
われわれも訪問時には「消耗品は交換してください」とお声がけさせていただいています。また装置を使用されていない期間があったとしても、ときどき稼働させてくださいという案内をしっかりさせていただくことで、装置を長く使っていただけるようにしていきたいと考えています。
お客様からの感謝の言葉がMilli-SAT認定技術員としてのやりがいに
装置と水道水を接続するチューブが劣化していると、冬場には温度差で割れることがあります。そういったこともあってどちらかというとわれわれMilli-SAT認定技術員は冬場が繁忙期ではないかと思います。繁忙期にはその日の予定作業以外に、お客様から「漏水がありました」と突然連絡が入ることがあります。お客様は実験や研究をされていらっしゃいますから、「装置を止めておいてください」とは簡単には言えません。予定作業終了後に新たな現場に向かうということが続くと正直しんどいなと思うことはあります。しかし、漏水や装置の不具合の修理作業後にお客様から「ありがとうございました」と感謝の言葉をいただけることが、Milli-SAT認定技術員としてのやりがいとなっています。
お客様に安心感を持っていただくためにも、いただいた質問には何でも答えられるように、今後もしっかり勉強をしていかければいけないと思っています。もちろん新製品を含め装置について、カタログを使用してきちんと説明できるようにもしていきたいと考えています。さらにサービスプランを更新していただけるように、メンテナンスで伺った際には、継続のメリットなどを積極的にお話し、ご提案できるようにしていきたいと考えています。