Milli-SAT インタビュー

東和科学株式会社

東和科学株式会社榎本 慎一郎 氏

Milli-SAT歴:17年
拠点:東京都
好きな食べ物:いただけけるものに優劣は付けられないのでなんでも食べます。
趣味:釣り
好きな装置とその理由:Milli-Q® Integral:現在一番稼働台数が多く、Milli-Q® Integral 世代の装置ならほぼ大丈夫という自信があるから。

関東一円のお客様を一人で担当

東和科学株式会社は、バイオテクノロジー関連機器、理化学機器、医療機器、汎用実験器材および医薬品・試薬、消耗品などの販売を手がける専門商社です。設立から半世紀、医療・製薬、食品、農業、エネルギー分野を中心にさまざまな研究開発を機器提供によって支えています。

当初、弊社は機器などの販売のみを行っていたのですが、約20年前にアフターサービスも提供していくことになりました。私は東和科学株式会社入社前の10年間は日立製作所に勤務し、病院施設・装置の設計をしていました。私たち設計者も普段は社内で仕事をしていますが、病院での施設、装置の立ち上げなどの際には現場に出向いて、設置に携わっていたことも多く、現場での仕事は嫌いではありませんでした。弊社入社時は同じ理系とはいえ、異業種でもあり、いろいろと学ぶことも多かったですが、あまり違和感はなく技術職、アフターサービスの担当者として東和科学株式会社に転職しました。そして、取り扱う商品の中でも肝となる超純水・純水製造装置ではやはりMilli-Q®のシェアが高いということで、Milli-SAT認定技術員の資格を取得することになり、弊社はMilli-SAT販売店となりました。本社の東京を拠点として、東京担当のお客様の他、つくば支店、埼玉営業所が担当する、関東一円のお客様をMilli-SAT認定技術員は私だけということもあり、一人で担当しています。

Milli-SAT認定技術員は主治医みたいなもの

お客様に接する際には、自分自身がお客様だったらどんなことをしてもらいたいかと常に考えるようにしています。そして、装置の使用状態や使用年数などから、どこを重点的に作業すればよいかを見極めながら修理をします。ですから、お客様にとってMilli-SAT認定技術員は主治医みたいなものではないかと思います。

一方、私自身はMilli-SAT認定技術員はお客様にとってなくてはならないものでありたいと考えています。主治医としてお客様の装置の具合は、お客様よりも知っているという立場でいたいです。

現場では実際にできているかどうかは別にして、作業後には少しでも綺麗になっているとか、使いやすくなっているとお客様に感じていただけるように心掛けています。これまでの一番の思い出は、17年前にMilli-SAT認定技術員の資格を取得するときの現場テストです。現場での作業をメルクの試験官が見ているので非常に緊張しました。会社初のMilli-SAT認定技術員でしたから、先輩に教えてもらうということはなく、一からのスタートでした。メルクで学科講習が3日間ほどあり、その学科試験に合格してから実施試験を受けたのですが、現場では講習で教わったこと以外の状況も出てくるので、そこは大変苦労しました。そして、認定技術員となってからも1年間くらいは毎日緊張の連続でした。

メルクの技術部や他社のMilli-SAT認定技術員と横のつながりを

長年Milli-SAT認定技術員としてメルクの技術部の方々と関わっていると、自社の社員よりも仲良くなっている人がいるような気がします。弊社社員は私以外は営業担当であり、『技術』という肩書きがあるのは私しかいないため、同じカテゴリーの中で仕事をしているメルクの技術部の方や他の販売店のMilli-SAT認定技術員の方とは、横のつながりという感じで仲良くなりますし、質問などもしやすい関係です。しかも営業担当と技術担当では意見が異なることがありがちなので、自社の営業担当よりも他社の技術員さんとのほうが仲がよいというのは、“技術員あるある”ではないかと思いますね。

以前は年に1回Milli-SAT認定技術員の集まりがありました。講習後の懇親会ではメルクの方も加わり、いろいろな話をしてコミュニケーションを取っていました。その中ではオフレコの話が飛び出すこともありました。コロナ禍によって現在はそれがなくなってしまい、寂しく思っています。

Milli-SAT認定技術員はメルクの顔として現場を訪問

超純水・純水製造装置の中でメルクは老舗ですし、装置は安定感に加えて信頼性や実績があると思います。その信頼や実績を最も現場に近い人間がいかに支えていくかが重要になるわけですが、メルクはどこよりもしっかりしており、そういう点が強みのひとつだと思います。

お客様の中には、消耗品の交換でお伺いしても「あまり使っていないから大丈夫」と言われることがあるのですが、実はフィルターなどはあまり使用していないほうが良くなくて、劣化も早まる場合があります。ですから、お客様にはわれわれMilli-SAT認定技術員を信頼していただき、安心して遠慮なく使ってくださいとお願いしたいです。もちろん現場でもお客様に「何かあったら助けますので、安心してバンバン使ってあげてください」とお話しています。

お客様アンケートでは、「いつも迅速に対応してくれてありがとうございます」、「あきらめずに直してくれてありがとうございます」といった声を聴くことができるのは嬉しいですし、励みになります。Milli-SAT認定技術員はメルクの顔として現場に伺っているので、メルクの看板に泥を塗るわけにはいけないという責任感は常に持っています。メルクの装置に関わる人間として、お客様に喜んでいただけるということは、メルクの信頼性向上にもつながるのではないかという自負もあります。

やりがいはお客様の笑顔や感謝の言葉

Milli-SAT認定技術員としてのやりがいはお客様の笑顔や、「ありがとうございます」「助かりました」といったお客様からいただく感謝の言葉ですね。営業担当者は自分からお客様に「ありがとう」と言うことが多いですが、技術員はお客様から「ありがとうございます」と言っていただけるので、役得だと思います。しかも営業担当者が訪問するとお客様が怪訝な顔をされても、Milli-SAT認定技術員の私が伺うと喜んでくださるということが多々あり、そこは純粋に嬉しいことです。

またMilli-SAT認定技術員として行う装置の修理は、装置が動いたとか直ったとか自分が担った仕事の成果を目の当たりにできます。成功体験がすぐ訪れるというのは、技術者にとっての極だと思います。

Milli-SAT認定技術員は装置の修理やメンテナンスが仕事ですから、結局現場に伺わなければ何もできませんが、新型コロナ感染症が流行り出した当初は現場に入りにくくなってしまいました。お客様は研究室などに来てもらいたいと思われていても、外部との接触を断っている病院などの施設では、なかなか伺うことができませんでした。電話やメールで対応することもありましたが、実際に装置内部を見なければわからず、直せないこともあり、仕方がないので訪問できるようになるまで装置を止めておいてくださいということもありました。ここ1年くらいは訪問前の体温測定など健康管理をすることや、PCR検査をして陰性証明書を持参することで訪問できるようになってはきています。

自分の技術や経験など若い人に伝授していきたい

弊社ではMilli-SAT認定技術員は私一人で関東一円をカバーしているので、装置の不具合が同時多発した場合は、移動と修理の繰り返しでとにかく大変です。弊社のお客様は官公庁がメインということもあって、繁忙期は年末から3月末に偏りがちですが、休暇の日程は概ね合致していて、長期休暇を取ることはできています。ただ、「長期休暇明けに現場行ったら研究室が水浸しになっていた」という連絡をお客様からいただくこともあるので、休暇明けは緊張します。

50歳を超えて自分自身はさらなる技術向上を目指すというよりは、時代の流れについていくのが精一杯と感じることがあります。現在Milli-SAT認定技術員の増員を会社にお願いしているところで、できればこれまで自分が20年近く培ってきた技術や経験などを今度は若い人に伝授していきたいと考えています。

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