Milli-SAT インタビュー
![正晃株式会社](/INTERSHOP/static/BOS/Merck-Site/JP/Merck-JP/ja_JP/01_JP_Image/JP_FreeStyle/JP_LW/JP_LW-Custom-Milli-Q-Mag-Digital/JP_LW-Custom-Milli-Q-Mag-Digital-Interview/millisat_interview_06_02.jpg)
正晃株式会社佐藤 一朗 氏
Milli-SAT歴:約4年
拠点:福岡県
好きな食べ物:焼肉
趣味:ドライブ、オンラインゲーム
好きな装置とその理由:Elix Essential:パソコンをつないで設置やメンテナンスをする点
入社前からMilli-SAT認定技術員になることを希望
弊社は試薬、理化学機器、診断薬、検査機器などを取り扱う理化学の総合商社で、福岡市東区の本社を拠点として、九州全域、および沖縄県、山口県をカバーしており、正晃グループとしては関東・関西エリア、北海道エリアにも展開し、それぞれが各地域に密着した営業活動をしています。現在、弊社には7名のMilli-SAT認定技術員がおり、九州から山口までの各エリアでそれぞれが活動しています。
私は工学系大学でしたが、特に機械を扱ってきたわけではありませんでした。しかし、元々機械を触ることが好きだったので、採用試験の面接でMilli-SAT認定技術員という資格があることを聞き、入社したら資格を取得してメンテナンスに携わりたいと思いました。そして大学を卒業し、2017年4月に入社してから勉強して、同年10月に資格を取得しました。その後、2年間は本社で勤務し、現在は北九州営業所でMilli-SAT認定技術員として北部九州エリアを担当しています。北九州エリアには大学、企業、官公庁などさまざまな分野のお客様がいらっしゃるのですが、土地柄、製鉄系の企業が多いという特徴があります。
Milli-SAT認定技術員は装置の問題点の直接的な窓口
お客様にとってMilli-SAT認定技術員は、メルクの超純水・純水製造装置に関する困り事やトラブルなどの直接的な窓口になっているのではないかと思っています。つまり装置に何かあったら、すぐに頼っていただける身近な存在ではないでしょうか。実際、装置に問題が生じた場合に、お客様から私に直接ご連絡いただくことも多くなっています。
私自身は、Milli-SAT認定技術員は超純水・純水製造装置に関する水のプロだと考えており、お客様からも弊社の営業担当者からも信頼されて成り立っていると感じています。Milli-SAT認定技術員としてメンテナンスが重要であることは当然ですが、同時に装置の提案・サポートをするコンサルティング力も必要になってくるのではないかと思っています。そのため、お客様のご希望にあった柔軟な対応ができるように常に考えています。
現場では装置納入前からお客様の使用感に合ったレイアウトを提案するなど、ニーズに合わせるように配慮しています。その際、自分が逆にお客様の立場で使用するとしたら、どのようにすれば使いやすいかを考えるようにしています。また新しい装置の納入時には、いろいろな工具を使ったりしますし、装置が梱包されていた段ボールなどのごみが結構出ますので、持参したものが現場に散乱しないように気を付けています。装置の初期洗浄の時間などを活用して、コンパクトに収納して速やかに片付けています。
お客様に確実な回答をするために、複雑な不具合はメルクのサービスに連絡
これまでで一番印象に残っている作業は、Milli-SAT認定技術員のライセンスを取得する際の認定試験ですね。その時はMilli-Q Integralの納入でした。前装置を撤去するところから始まって据付までの作業について、「一つ一つの細かい点までチェックしていますよ」というようなメルクの試験官の視線をずっと感じていました。そういう中であまり手際よくできていないのではないかと思いを巡らせながら、夏場であったこともあるのですが、かなりの汗をかいたことを覚えています。常に試験官に近くで見られて、初めて味合う緊張感でした。
お客様から連絡をいただく装置の不具合には、簡単なものから複雑なものまでさまざまです。自分だけでは解決できないような複雑な問題の場合には、メルクのサービスに連絡しています。お客様への回答が多少遅れることもあるのですが、確実な回答ができますので、非常に助かっています。
またメルクの営業担当とは、技術的な話だけではなく、装置に関してさまざまな情報共有をしています。お客様に安心・安全に装置を使っていただくために消耗品をどのようにご提案していけばよいか、あるいは新しいキャンペーンをいかにお客様にお知らせしていくかなど、密にコミュニケーションをとって話し合っています。
Milli-Q EQ 7000を発売から約1カ月で据付
Milli-Q は高いブランド力を誇っていると思います。大学、企業を問わず、Milli-Qは知名度が高く、「超純水・純水製造装置といえばMilli-Qだよね」と言ってくださるお客様が非常に多いですし、実際に装置のシェア率もかなり高いと思います。
これまで新装置の発売前には、Milli-SAT認定技術員を対象に実機を用いたメルク主催の講習会がありましたが、コロナ禍の影響で現在はWeb上での開催となっています。そのため、今まで以上の事前準備が必要になったように感じています。装置の据付はパソコンでInstallation Wizard(立ち上げプログラム)を見ながら行うことになっているのですが、そこにある情報は基本的に英語です。グーグル翻訳を使えば簡単に日本語訳ができますが、若干異なった訳になることもあるので、現場で最初に見るのではなく、装置据付前に3回くらいは目を通すようにしています。
Milli-Q EQ 7000を発売から約1カ月で据付させていただき、メルクの担当者から「全国で第1号かもしれない」と言われました。Milli-Q EQ 7000は従来の機種と外観は似ていますが、中の配置など異なる点も多かったので、国内で初設置と聞いたときは、正直少し不安でした。しかもコロナ禍の影響で事前に実機を見ることはできず、据付当日に初めて見ることになったので、立ち上げプログラムを見ながら手順を一つ一つ確認して丁寧に行っていきました。ただ、据付の流れとしては、Milli-Q IQ7000シリーズなどと同様の立ち上げプログラムに沿って作業を進めればよかったので、特段難しいことはありませんでした。
お客様の感謝の言葉がやりがいに
お客様が純水製造装置のRO膜(逆浸透膜)の塩素洗浄をされた後に水漏れしているという連絡をいただくことが結構あるのですが、蓋の締めが甘かったり、RO膜の蓋が斜めに入っていて隙間から水漏れするというケースもあります。RO膜の塩素洗浄時には、蓋のゆるみや斜めに入っていないかなど、開始前に確認していただけると技術員としては助かります。
現場に訪問した際に、蛇口のハンドルからのちょっとした水漏れを見つけることがあります。装置のメンテナンスとは全く関係ないのですが、水が漏れていると気になって、工具さえあれば直したくなります。これはMilli-SAT認定技術員になってからで、他の技術員の方々も思われていることではないでしょうか。
装置のトラブルなどを解決した後や装置を納入した後などに、お客様から「助かりました」、「ありがとうございます」という言葉をいただくことがあります。感謝の言葉は非常にうれしく、それがMilli-SAT認定技術員としてのやりがいにつながっていると思います。
メンテナンスのサービス力の向上だけでなく提案力も高めていきたい
Milli-SAT認定技術員としてメンテナンスのサービス力の向上はもちろんのこと、メルクから新しい装置が次々出てきていますので、装置などに関する知識をさらに深めていき、更新時などにはお客様のニーズに沿った装置をご提案していきたいと考えています。また2020年12月末で修理パーツの販売が終了している01年型装置(’01Milli-Q、’01Elix UV、’01Direct-Q)がまだ市場に存在しています。これらの機種は納品してから10~20年近く経過しているものも多く、急な故障や漏水の可能性もあります。お客様の仕事や研究に問題が生じないように、それぞれの状況に応じたご提案ができるように努力していきたいと思っています。