Milli-SAT インタビュー

共立医科器械株式会社

共立医科器械株式会社工藤 慎也 氏

Milli-SAT歴:約10年
拠点:岩手県
好きな食べ物:カツカレー
趣味:子どもとする砂遊び
好きな装置とその理由:Milli-Q Integral :Milli-SAT認定技術員の認定試験で設置した装置だから

尊敬する前任者に任命されMilli-SAT認定技術員に

弊社は医療機器を扱う会社として創立されたこともあって、基本的には医療機器全般を取り扱っておりますが、医療系の基礎研究に使用される超純水・純水製造装置をはじめとする理化学機器も扱っています。お客様は病院、大学に加え、官公庁も多いですし、製薬会社様などの企業にも行かせていただいています。

Milli-SAT認定技術員は私の他にもう一名いるのですが、別の機器をメインとしており、実質私一人で岩手県内のお客様を担当させていただいています。また弊社は東北北3県に営業所がありますので、秋田県や青森県のお客様の対応も行っております。

私は入社後、医療用の輸液ポンプの点検などを担当していましたが、当時活躍していたMilli-SAT認定技術員はどんな問題も解決出来るので、周囲から尊敬されていました。そのMilli-SAT認定技術員に私はある日突然現場に連れて行かれ、「この装置の修理をしてみろ」と言われ、急遽Milli-Q の修理をすることになったのです。そして「お前が後継者だ」と任命され、その後Milli-SAT認定技術員の資格を取得して、メルクの超純水・純水製造装置の担当者になりました。前任者は病気で亡くなりましたが、亡くなる前に「後をよろしく」と言われ、続けるしかないという使命感で現在に至っています。

Milli-SAT認定技術員であると共に他社装置のメンテナンスも担当

もともと電気系が専門分野でしたが、まさか超純水・純水製造装置を担当するとは思っていなかったので、一から勉強し直しました。水と電気では勝手が違いますが、器械のメンテナンスという意味では同じであり、いろいろ出来るのは面白いと前向きに考えています。しかもメルクの超純水・純水製造装置だけでなく、数多くの理化学機器全般を受け持っています。技術員の認定制度があるメーカーさんもあれば、ないメーカーさんもあります。認定制度がないメーカーさんでも、岩手県には基本的に技術担当者が常勤していない状況も多く、とりあえず私が先行して現場の装置を確認したうえで、メーカーさんに来ていただくこともしばしばあり、本当にいろいろな知識が必要となります。

このように私はMilli-Qだけでなく他社機器のメンテナンスも担当しているということもあって、お客様にとってMilli-SAT認定技術員としての私は便利屋というか、何でも屋というような感覚で、気軽に呼んでいただけているのではないかと思います。

現場では装置の見た目にも配慮

一方、私にとってMilli-SAT認定技術員とは、前任者から託されたものなので、適職ではないかと考えています。現場では配線など外観に関係するところは、美しくなるように心掛けています。メルクの超純水・純水製造装置は複雑な配線になっているため、配線をきちんとしていないと目立って、見栄えが悪くなってしまいます。せっかくの美しい装置の外観が悪くならないように気を付けています。

これまでで一番印象に残っている作業は、やはりMilli-SAT認定技術員の認定試験時のMilli-Q Integral の設置です。メルクの試験官が私の作業を評価するのですが、見るに見兼ねたのか、試験にも関わらず指導されながら作業を進めていったような記憶があります。その装置は先日更新となりました。メルクの営業担当者に認定試験時に設置した装置であったことを話しながら、思い出を噛みしめて撤去作業を行いました。

具体的に順路を追ってきちんと説明することをモットーに

岩手県にいるとメルクの担当者と実際に会う機会は少ないのですが、実際の現場作業の際に判らないことが突然出てきた時、メルクに電話やメールで色々と相談・質問をすると的確なアドバイスをいただくことが出来、様々なケースを経験として覚えながら、お客様の問題点に対して最適な方法で対応させていただくことが出来ています。

Milli-SAT認定技術員としてお客様とコミュニケーションを取る際には、具体的に順路を追ってきちんと話すことを心掛けています。不具合が生じた際に、どのような手順で調べ、その結果、装置がどのような状態になっていて、どのように解決したかということをすべて、お伝えしています。これも前任者の教えです。

お客様によっては、ずっと担当が変わらないお客様もいますが、官公庁のように装置の管理担当者の移動も多いため、担当者が交代された際にはよりきめ細かく丁寧にお話させていただくようにしています。中には全く異なる領域から移動されて来られることがありますから、点検前にこれまでの経緯や段取りなどをきちんと説明し、ご理解をいただいて対応しております。

再現性がないトラブルもとことん調べて対応

Milli-Q は水質などの安定性が非常に優れていると思います。Milli-Q以外の水関係の装置も取り扱ってはいますが、やはり分析に使う超純水・純水であればメルクの安定した水質がいいのではないかと思います。

メルクの新製品発売時の研修会には毎回参加させていただいており、そこでメルクから指導を受けたことは遵守しています。ところが、コロナ禍により講習会がWEB開催となっております。実物を触らないまま、据付当日に初めて新機種を見るということもあり、いきなり本番は大変なことも多いのですが、一つひとつ丁寧に対応していくことにしています。

Milli-SAT認定技術員としてお客様にお願いしたい点は、装置の不具合の現象や表示されたエラーの内容を具体的に教えていただきたいということです。少しでも詳細を教えていただけると、スムーズに対応できるのでとてもありがたいです。

お客様からトラブルのご連絡をいただき現地に到着してみると装置が直っていて、技術員がいなくなるとその現象がまた出てくるということが時々あります。これは多くのMilli-SAT認定技術員が経験している“技術員あるある”の一つではないでしょうか。現場で装置を点検してもトラブルの再現性がないこともありますが、そのまま放置するわけにはいかないので、その現象が再び出るまで粘ったり、お客様からのヒアリングで怪しい箇所を推定して、とことん調べて対応し経過を観察することにしています。

また、もともとやる予定だったところ以外であっても、目に付いたり、気になったりしたところまで取り組んでしまい、とにかく納得できるまで作業をしてしまいます。これもMilli-SAT認定技術員の皆さんは経験があるのではないかと思います。

お客様から頼まれたことは何でも出来る技術屋を目指して

コロナ禍であっても、岩手県にMilli-SAT認定技術員は私しかいませんから、何か問題があれば私が駆けつけるという状況は変わっていません。その一方で、弊社内ではテレワークが進んでおり、集まることを避けるためにiPad、PCなどで仕事をしています。そのおかげで事務処理がその場でスムーズに出来るようになり、効率化が図られたと思います。

私の前任のMilli-SAT認定技術員は何でも出来る方でした。その前任者から引き継いだ任務なので、その方に追いつけるように頑張りたいと思っています。そして、お客様から頼まれたことは何でも出来る様な、技術屋になりたいと考えています。今後もいろいろ勉強させていただきながら、Milli-SAT認定技術員として地域に貢献していきたいと思っています。

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