ドイツ・ダルムシュタット、2021年3月17日サイエンスとテクノロジーの分野における世界有数の企業であるメルクは、仏・モルシャイムにあるライフサイエンスセンターにシングルユース製品の生産工場追加を計画しています。この主要テクノロジーは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンや他の治療医薬品の製造に使用されており、2,500万ユーロを投資して、欧州での生産拡張計画を加速しています。メルクがこの製品を製造するのは欧州ではモルシャイム拠点が初めてとなります。他に、米国・マサチューセッツ州ダンバーズと中国・無錫(Wuxi)に生産拠点があります。
このプロジェクトは、欧州委員会委員のティエリー・ブルトン氏とフランス経済・財務副大臣のアニエス・パニエリュナシェ氏の出席の下、モルシャイムで発表されました。
「パンデミックによって世界は想像もできないような課題に直面しています。メルクはCOVID-19の発生以降、サイエンスとテクノロジーへの取り組みによって多大な貢献をしてきました。欧州の新しい生産ユニットでは、緊急に必要とされるシングルユース製品を世界のワクチン・治療薬メーカーに供給する能力を増強します。欧州での生産拡張に関する発表は、パンデミックの最中もその後も、メルクが世界に貢献していくというコミットメントです」とメルク経営執行委員会の副会長兼メルクグローバル副 CEOのベレン・ガリーホ氏は述べています。
このモルシャイムでの投資は、将来的にも引き続き拡張が可能になるようモジュール式の建築設計と既存のインフラを用いて、1,700平方メートルのISO7またはISO5クリーンルーム、そして合計350人以上の新規雇用が創出されます。この新工場では、メルクのMobius®MyWayプログラムの一部である主力製品のMobius®シングルユース製品を生産します。2021年末までに稼働予定です。モルシャイム拠点は32カ国1,700人以上の従業員を擁し、1万種類以上の製品を生産しているメルクでは世界で3番目に大きな生産拠点です。世界各国の市場に供給しており、生産品の85%以上を輸出しています。3つの生産ユニットがあり、医薬品製造プロセス向けの製品・ソリューション、アプライドソリューションのクリニカルまたは産業向けの環境分析製品、そして純水装置の製造行っています。
「近年、多数のバイオ医薬品メーカーが柔軟性、コスト削減、スピード、リスク低減を理由にシングルユース・テクノロジーに注目しており、この分野の市場は2桁成長しています。COVID-19パンデミックによってこの傾向に拍車がかかっており、ほとんどのプログラムがシングルユースの生産テンプレートを使用しています。モルシャイム拠点は長年、微生物分析と純水装置において世界的にも卓越した研究拠点でした。今回の新しいシングルユース生産工場の拡張計画により、当社は顧客のニーズを満たすのに不可欠な設備を追加するとともに、地域に新規雇用を創出します」とメルクのライフサイエンス・ビジネス CEO代理であるクリス・ロス氏は述べています。
先頃、メルクは独・ダルムシュタット、アイルランド・コーク、スイス・ブフスのほか、米国・カリフォルニア州カールスバッド、ウィスコンシン州マディソン、ニューハンプシャー州ジャフリー、マサチューセッツ州ダンバーズにあるライフサイエンス・ビジネスの拡張プロジェクトを発表しました。現在、ダンバーズの拠点では、2021年末までにシングルユース製品の生産能力を倍増させる計画を進めています。ライフサイエンス・ビジネスの産業規模での生産能力と設備の拡大は、救命治療医薬品への世界的な需要の高まりに対応しており、公衆衛生に重要な貢献をするための複数年に渡る大々的なプログラムの一環です。 ※本資料はドイツ・ダルムシュタット メルクが2021年3月17日に発表したニュースリリースを日本語に翻訳し、参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先します。英語版については、https://www.merckgroup.com/enをご覧ください。
メルクについて
Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノロジー企業です。がんや多発性硬化症のためのバイオ医薬品を用いた治療法から、科学研究と生産に関する最先端システム、スマートフォンや液晶テレビ向けの液晶材料にいたるまで、約53,000人の従業員が人々の暮らしをより良くする技術の一層の進歩を目指しています。2017年は66カ国で153億ユーロの売上高を計上しました。
メルクは1668年に創業された世界で最も歴史の長い医薬・化学品会社で、 創業家が今でも、上場企業が率いるメルクグループの株式の過半数を所有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、メルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国ではEMDセローノ、ミリポアシグマ、EMDパフォーマンスマテリアルズとして事業を行っています。